3月例会 質疑応答の報告

御殿場支部3月例会への多数出席ありがとうございました。
講師より質問事項の回答いただきましたので掲載させていただきます。

以下講師よりいただいた回答となります。

第1グループの質問
Q>産業廃棄物業界のオピニオンリーダーとはどのような意味ですか?
産業廃棄物・解体工事などの業者は中小企業が圧倒的多数を占めており、多くの業者が労働環境・就業規則・賃金体系などまだまだ未整備の業者が多く、雇用形態も日給月給で人間として暮らしを守り、将来に夢と希望を持って働く環境にないのが現状だと認識しています。
そのような環境を改善するために、業界のモデルとなるような安心して働ける環境整備をすることのリーダーという意味です。
第2グループの質問
Q>同業他社との競合の中で価格が高くて受注できるのか?
受注する価格は現状として原価割れを起こすような状態で営業しています。ただ、これ以上価格を下げられないという危機感で、現状を理解していただける当社のファンになっていただけるよう、廃棄物の現状から分別による排出抑制・コスト削減の提案をさせていただくことが、営業の仕事となっています。お客様に安心して頂ける価格を提案することが仕事です。
産業廃棄物業から資源循環業へ
・解体工事や新築現場から出る廃棄物の処理を通して、廃棄物の出し方や廃棄物自体から社会のシステムの大きな矛盾を感じた。地球の環境を保つためには廃棄を次のモノへの再生の出発点と捉えて「善・循環型社会」を構築する必要があると気づいた。「本当の循環」を伝えることができるのはメーカーなどのものづくりの企業ではなく、リバイブの様な廃棄物処理業者であるとの考えから、今、廃棄物処理業から資源循環業へと転換を図っている。

Q>不法投棄を減らす手立てはあるのか?
難しい問題です。生活ごみから、産業廃棄物にいたる不法投棄は少しでも安くしないと儲からない、コストをかけずにごみ処理をすることがどのような結果になるか、何も考えない人たちが行うことです。私どもが言っている「善・循環社会」が社会の中に根付かないことにはなくならないと思います。皆さんに何か良い手立てがないかお聞きしたいぐらいです。
第3グループの質問
Q>リサイクルというが、リサイクルでも間違っているものはないか?
基本的にリサイクルということは不用になったものを資源化することですから間違いはないと思いますが、リサイクルするエネルギー・コストが高くなることはいかがなものでしょうか?中部工業大学の武田邦彦教授の「リサイクルはしてはいけない」青春出版社、もったいない学会EPR部会でのEPR評価方法をインターネットで検索していただけるとより理解できると思います。http://www.mottainaisociety.org/division_4/index.html
第4グループの質問
Q>会社(組織)内をいかにして意識改革をしているのか
この質問は同友会会員らしくない質問ですね。経営理念で「何のために経営を行うのか」について経営者の考え明らかにして、社会に対する自社の存在価値を明確にして、それを実現するために全社共通の基本姿勢と行動基準を成文化することで、経営者も社員も自身と誇りを持って仕事に取り組むことができます。経営指針の成文化とそれを伝えるための機会をいかに多く取って行くしかありません。
第5グループの質問
Q1>・自社の社員への取り組みと考え方(どのように伝えているのか?)
【社内発信】社長自らが経営指針発表会、リーダー会議、全体会議の場において目指す方向性などについて話をしたり、年に2回一人1時間社長との個人面接を行っており、方向性などを通して、仕事の価値観を共有し、理念を浸透させている。
Q2>・廃棄物の分別をお客様と共に行うというが、お客様のメリットとどのように伝えているのか?
リバイブは資源の供給者であり、その資源が還ってくる先であることから、リサイクルによって廃材を減らしていく取組みを進めることを理念としている。また、建設業界のお客様に対して、建設廃棄物の出し方についてイエローカードを提示したり、ごみ選別の誓約書記入をお願いしている。施工段階、製品設計段階において処分する物が少なくなるよう呼びかけるため、安全協力会などでプレゼンを行い、排出抑制・コスト削減を実現し、環境整備・安全できれいな現場を作っていくことの提案している。

Q3>・地域の社会貢献は自治体側かリバイブ側からのどちらの提案か?
地域貢献はリバイブの産業廃棄物業界のイメージアップのために始めたことです。
・2007年の「第1回CSRプラス大賞」※(日本財団主催)、企画で、全国16位に入賞した。
※2万人を超える市民がウェブ投票によりCSRの取り組みを一生懸命行っている企業を選ぶ
・愛知県神田知事より中学生の職場体験を受け入れた事業所として「あいち・出会いと体験の道場」応援団の認定を受けた。
・堆肥を分けてもらえるなら「使ってみたい」という農業者からの声もある。
・ 愛知県の「愛・道路パートナーシップ事業」に隣接する事業者と共に登録し、社の前を通っている県道沿線200m余に渡り、定期的に草刈り・清掃活動を継続している。また管理する農地周辺の環境整備活動を通して、地域の人から「(清掃して)きれいになったね」と声をかけてもらえるなど、コミュニケーションが図れている。


第7グループの質問
Q>毎年2,000万を持ち出しいている赤字部門を抱え、資金繰りは大丈夫?
「食農循環プロジェクト」
・未利用バイオマス資材(堆肥)の製造、堆肥を使った野菜の生産・販売、圃場管理

2007年8月に環境事業部を開設した。地域でとれる未利用資源の剪定枝、草、酪農農家の牛糞堆肥、競馬用の馬糞堆肥を資材に使い、鉱物資源、ミネラルと植物の酵素を活用したナサラ堆肥を作り、野菜を栽培し、地元のスーパーやレストランに納めるという未利用のバイオマス資材を循環する仕組み「食農循環プロジェクト」をスタートさせた。排出事業者のスーパー、農業者、造園業者、流通業者などを核とした食品循環資源の具体的システム作りの提起を行い、21年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金(循環ビジネス事業化検討事業)に採択されている。
会社周辺の農地を借り、農産物を栽培し、どのような資材が最適か何通りかの資材で作り分けをして、効果や産物のサイズ、収量、味等を比較しながら、試験的に調べている。更に提携先を広げて、他の農家を巻き込んでいきたいと考えている。
・パートナー
海部地域で数十~数百ha規模で耕作委託を受けて有機JAS認証を取得した野菜を栽培している農業者や、エコファーマーの認定を取った農業者が趣旨に賛同して加わってきている。10a前後の圃場で使える堆肥の提供を試験的に始めた。
 地元のスーパー「生鮮館 やまひこ」では、「地産地消」「旬産旬消」の野菜として、コーナーを設けて販売、有機レストラン数件と社会福祉法人の給食食材としても販売を始めている。

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 ・今後は収益体制を整える
現在は小規模で行っているので、農地の面積を拡大し、農業のスキルアップを図る。具体的には、肥料工場を作る計画がある。また、慣行農法で見落とされてきたミネラル・酵素を活用した自然農法、米の不耕起栽培の実験を進めていきたい。有機質資源にこだわった「循環野菜」を栽培していることを外部にアピールし、継続することで、地域の理解を得、食品循環資源を焼却処理している自治体・処理業者との違いを感じてもらいたい。

第8グループの質問
Q1>・何パーセントリサイクルすると善・循環
善・循環のシステムから言うと、社会システムを構築しながら100パーセントリサイクル出来ることになりますが、100%にするためには課題が多いのも現実です。
当社ホームページの善・循環型社会のページを参考にしてください。

Q2>・政府は90年比2020年25%CO2削減といっているが可が能か、その際の排出権取引は?
 「エコ」と「エゴ」は背中合わせの対立。環境問題に取り組んできた私の実感です。そのような現実を国際社会で衆目にさらしたのが、昨年の国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)ではなかったか。日本政府は今年の1月、2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減する目標を条約事務局に提出した。3月までに対策を盛り込んだ地球温暖化対策基本法を国会に提出すると言っていますが、無謀な目標を出したからには、現実に即した明確な根拠にもとづいた政策案を示さなければなりません。しかし、今まで具体的策や企業・国民への影響を示していません。それどころか、辻褄合わせに数字をこねくり回しているとしか見えてきません。危惧するのは、エネルギーピーク、エネルギーセキュウリティー(安全保障)の議論が出てきません。イギリスの元エネルギー相デビッド・ハウエルの「地球の呼吸はいつ止まるのか?」「気候変動は非常に長い時間軸で考えなければならない問題である。それに対して、エネルギーの信頼性や安全保障の問題は、まさに今そこまで迫ってきている」のことばをかりなくても、気候変動より文明の血液である資源危機が“今そこにある危機”。それが世界の認識です。
 環境・エネルギー問題を語るうえで、エコロジー、エコノミー、エネルギーセキュリティーの3Eのバランスが重要とされています。とりわけ、エネルギーの96%を輸入に依存している日本にとってエネルギーセキュリティーあってのエコノミー、エコロジーのはずだが、民主党の政策では「エコのためなら国が滅んでもいい」というブラックジョークにしか見えていない。省エネ技術が世界最高域に達している日本がこれ以上CO2の削減に取組むことは上記のバランスを崩すことになり、難しいのでないでしょうか。資源のない日本が省エネをより推進するためには、2020年まで省エネ産業革命ぐらい起こすようなさ産業支援策を行い、CO2の排出をある一定時期までは増やすようなことをしないと日本の未来はないでしょう。


投稿日:2010年03月15日:御殿場同友会

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